橋梁床版切断工法「切り方じょうず」

橋梁床版切断工法「切り方じょうず」の開発

『特許出願中』
通行止め期間の短縮を目指す床版切断工法

テクノス株式会社(代表取締役社長 森田栄治)は、 株式会社誠和ダイア(代表取締役 田近正春)と共同で、橋梁床版切断工法「切り方じょうず」を開発しました。

「切り方じょうず」は、道路を供用しながら主桁から床版を切り離す工法です。従来の通行止め後に床版を切り離す油圧引き剥がし工法と比較し、全く異なるアプローチの工法で、床版取替期間を50%低減し、工事通行止め期間の短縮に寄与します。

  1. 1.開発の背景

    日本の高速道路等の橋梁は、構築後50年以上経過したものが多く、老朽化した床版の取替工事が進められています。このような床版取替工事では、利用者への影響を少なくするため通行止め期間を極力短縮する急速施工が求められています。プレキャストPC床版による急速設置工法はいくつか開発されていますが、一方で床版の急速解体工法はあまり存在しません。

    「切り方じょうず」は、この課題を解決するために開発した工法です。

  2. 2.「切り方じょうず」の概要

    乾式高精度ワイヤーソーにより橋梁の主桁から床版を効率よく切り離します。

    その特徴は、以下のとおりです。

    ①床版下部で主桁と床版を切断
    床版上には機器を置かず、床版下部に設置した機器のみで切断作業を行います。

    図-1 実物大試験体を用いた切断試験状況

    図-1 実物大試験体を用いた切断試験状況

    図-2 切断機器の設置状況と切断箇所

    図-2 切断機器の設置状況と切断箇所

    ➁平坦性に優れた切断性能

    コンクリート内に鉄筋や鋼材があっても影響を受けない切断機構を新たに開発しました。±8mmという高い精度で切断でき、主桁に影響を与えずに、切断面積を最小限にすることができます。通行止め後の桁上に残ったコンクリートの撤去作業も大幅に省力化します。

    図-3 床版切断状況

    図-3 床版切断状況

    図-4 桁上のコンクリートの状況

    図-4 桁上のコンクリートの状況

    図-5 桁上のコンクリートの撤去状況

    図-5 桁上のコンクリートの撤去状況

    ③周辺環境への影響低減
    「切り方上手」は、従来工法に比べて切断時の騒音が小さく、乾式高精度ワイヤーソーの採用により、泥水が発生しないため、周辺環境への影響を低減できます。
    ④床版取替期間の低減と工事通行止め期間の短縮

    道路を供用しながら、主桁から床版を切断します。切断予定箇所と切断完了箇所に、新開発の専用固定治具を取付けることで、切断した後も切断前と同等の構造安全性を確保します。その結果、通行止め後の床版撤去工程が省力化され、床版取替期間を50%低減、工事通行止め期間を約18%短縮することができます(橋長300ⅿで試算)。

    図-6 専用固定治具取付け状況(切断完了ならびに予定箇所)

    図-6 専用固定治具取付け状況(切断完了ならびに予定箇所)

    図-7 専用固定治具取付け状況詳細

    図-7 専用固定治具取付け状況詳細

    ⑤安全な床版撤去作業の提供

    従来の油圧引き剥がし工法では、床版を油圧で剥がした状態で作業員が床版下部に入り、主桁と床版のずれ止め筋をガス切断します。一方、「切り方じょうず」では事前に床版を切断しているのでこのような危険作業は発生せず、安全な環境で床版を撤去することができます。

    図-8 切断断面図

    図-8 切断断面図

    ⑥主桁に損傷を与えない撤去作業を実現

    従来の油圧引き剥がし工法では、引き剥がし時に主桁に大きな引張力が作用します。特に箱桁や腐食激しい主桁では大きな変形を生じさせる危険性があります。事前に主桁と床版を切り離す「切り方じょうず」ではこのような懸念はなく、既存構造物への損傷の心配がありません。

  3. 3.今後の予定

    現場施工への本格展開を進めます。通行止め期間中の撤去→設置の繰返し施工の省力化に加え、撤去と設置を分離施工するさらなる省力化工法の展開を目指します。

    図-9 床版取替工事イメージ

    図-9 床版取替工事イメージ

    「切り方じょうず」は非合成桁橋を対象に開発しました。今後は、合成桁橋への適用の可能性も検討していきたいと考えています。

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