建方精度管理システム「建方キング」

建方精度管理システム「建方キング」の開発

IoT技術で建築建方のさらなる生産性向上を実現、働き方改革に貢献!!

テクノス株式会社(代表取締役社長 森田栄治)は、 株式会社きんそく(代表取締役社長 奥野勝司)、学校法人近畿大学(理工学部情報学科)と共同で、建方精度管理システム「建方キング」※1※2 を開発しました。

このシステムは、建設工事で鉄骨などを組み立てる建方作業の際に、建方精度の計測結果を視覚情報化し、複数の人が手元のモバイル端末機で、リアルタイムに確認できるものです。

本システムの導入により、従来の方法に比べて、建方の精度管理を効率的かつ迅速に行うことができ、併せて現場監理業務の省力化も実現します。

  • ※1.「建方キング」は、テクノス株式会社が販売展開する建方ワイヤーレス工法「ACEUP(エースアップ)」を支援するシステムです。(「ACEUP」はテクノス株式会社の登録商標です。)
  • ※2.「建方キング」はNETIS登録商品です。(登録番号「KK-180058-A」)
  1. 1.開発の背景

    昨今の建設業界では、熟練技術者の高齢化や建設業就業者の減少による人手不足が喫緊の課題となっています。建設現場に不可欠な計測業務においても、熟練した技術や豊富な経験を必要とする作業が多く、現場では多くの人員と時間を要しています。また、現場監理業務においても、従来の計測作業ではリアルタイムで指示を出すことが難しく、計測結果の確認後に指示を出すことになるため、多くの時間を要しています。

    こうした課題を改善し、建方作業における生産性の向上を図るため、本システムを開発しました。(図-1)

    図-1 イメージ図(共有データをリアルタイムに視覚化)

    図-1 イメージ図(共有データをリアルタイムに視覚化)

  2. 2.システムの概要

    本システムはWi-Fi(無線LAN)を利用し、計測者が計測した建方精度の情報を、建方作業者のモバイル端末機にリアルタイムで表示するものです。モバイル端末機には、建方精度の設計値に対する鉄骨の位置(平面と高さ)情報が、独自に開発した機能を使用して視覚的に、図と数値で表示されます。(図‐2)

    また、従来の計測作業では、2名の計測者(計測機器2台)が建方作業者に鉄骨の位置情報を無線機で伝達し、鉄骨の位置を修正していましたが、本システムでは1名(計測機器1台)で計測が可能となり、無線機での交信も不要となりました。

    さらに、計測した情報は計測者と建方作業者だけでなく、工事監理者も同時に共有することができるため、タイムラグのない高精度の建方が実現しました。

    図-2 計測差異を図と数値で分かりやすく表示①

    図-2 計測差異を図と数値で分かりやすく表示①

    図-2 計測差異を図と数値で分かりやすく表示②

    図-2 計測差異を図と数値で分かりやすく表示②

  3. 3.本システムのメリット

    ①容易で確実な建方精度の確保
    計測データはリアルタイムでモニターに表示されます。作業者は手元のモニターを確認しながら建方位置の調整ができるため、従来よりも容易かつ確実に建方精度が確保できます。
    ②工事監理者の業務改善(省力化の実現)
    視覚化された情報は、計測者と建方作業者だけでなく、工事監理者も同時に共有することができます。そのため、工事監理者は現場事務所にいながらリアルタイムでの精度確認が可能となります。
    ③作業の効率化(生産性の向上)
    従来の作業では2名の計測者(計測機器2台)を必要としましたが、本システムでは1名(計測機器1台)で計測でき、発話による無線交信も不要となるため、作業効率が格段に向上しました。
    • ※建方調整作業8本あたり、従来は約40分を要していましたが、本システムを使用することにより、約40%(16分)の作業時間の短縮が図れる見込みです。
    ④コストの低減
    1名で計測できることから、約30%のコスト低減が図れる見込みです。
  4. 4.今後の展開

    本システムを用いた計測業務を受託することに加え、システムのリース展開を行ってまいります。

    また、さらなる生産性の向上を目指した機能をシステムに追加し、商品のグレードアップを図ってまいります。

なお、本システムは、テクノス株式会社、株式会社きんそく、学校法人近畿大学、3者の共同特許です。

以上

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