建方精度管理システム「建方キングE

建方精度管理システム 「建方キングE」 の開発

『特許出願中』
DX:デジタルトランスフォーメーション技術で計測から出来形図作成まで建方業務を省力化

テクノス株式会社(代表取締役社長 森田栄治)、株式会社きんそく(代表取締役 奥野勝司)は共同で、※ACEUP工法を支援する建方精度管理システム「建方キング」の進化版「建方キングE」を開発しました。

「建方キングE」は、計測情報の共有化とリモート計測により建方の一連の業務を省力化したシステムです。建方位置の確認手法として新たに画像認識技術を導入し、従来の自動追尾型計測機器より迅速な計測手法を実現しました。

「従来の計測機器2台による建方作業と「建方キングE」との比較では、省力化による50%のコスト低減と40%の工程短縮を実現します。

  • ※ACEUP工法:テクノス株式会社が展開する建方支援工法
  1. 図-1 「建方キングE」全体イメージ図

    図-1 「建方キングE」全体イメージ図

  2. 1.開発の背景

    「建方キング」は、DX(デジタルトランスフォーメーション)技術を導入し、建方の生産性向上を実現したシステムです。しかし昨今の建設現場の状況を鑑み、我々は「建方キング」開発完了と同時に、さらなる生産性向上を目指した新システムの開発に取り組んでまいりました。

    新システムが目指した開発のポイントは以下の通りです。

    ①計測作業のさらなる省力化
    「建方キング」では、測量管理担当者が建方のターゲットを手動追尾する手法を採用しました。これはターゲットを自動追尾する計測では、自動追尾→測定・計算の計測サイクルに時間を要し、生産性向上への寄与が少ないと判断したためでした。新システムでは、自動追尾と画像認識を融合する技術を開発することで計測サイクルを短縮し、同時にリモート計測を実現することによりさらなる省力化を図りました。
    ②多様な構造物計測の省力化
    特にデザイン性の高い建築物では、梁材や壁材の計測には、構造部材のねじり状況も確認するためターゲットは複数必要となります。また柱材等を複数組合せた複合構造体を計測する場合もターゲットは複数必要となります。「建方キング」では、単体計測を繰り返すことでこれらの計測を行っていましたが、新システムでは、新たに梁材、壁材、円形構造材、さらに柱材等を組合せた複合構造体も、システムとして容易に計測できることを目指しました。
  3. 2.システムの概要

    「建方キングE」では、カメラ付き自動追尾型の計測機器と計測器近傍に設置したシステムPCを使用します。システムPCは、他のモバイル端末やタブレット端末、PC端末からリモート操作が可能であるため、計測機器設置後は機器側に測量管理担当者の常駐を必要としません。建方作業者や施工管理担当者自身による計測管理も可能です。監理技術者や施工管理担当者が工事事務所から直接計測することも、また修正判断や確定判断の指示を建方作業者に出すことも可能です。

    図-2 システム構成図

    図-2 システム構成図

  4. 3.システムの計測原理

    第一回目の計測は、自動追尾機能でターゲットに焦点をあて計測を行います。計測結果の表示は「建方キング」システムの表示機能と同じです。計測結果をもとに建方作業者は調整作業に入りますが、その際計測機器は対象構造物の設計位置に焦点を向け以後計測機器は固定されます。建方調整後の第二回目の計測は、計測機器のカメラでターゲット周辺を撮影し、その撮像データより設計位置との差を計算し位置情報を取得します。第三回目以降も撮像データより位置情報を取得し、所定の位置に建方調整が完了するまでその操作を繰り返します。

    一回目の計測終了後計測機器を設計位置に固定し、以後の計測を撮像データから位置情報を取得する手法を開発したことで、計測作業のサイクルタイム短縮を実現しました。

    複数のターゲットを計測する梁材、壁材、円形構造材、複合構造体でも計測方法は同じです。複数のターゲットを連続計測し、位置情報を一旦記憶したのち表示することで、調整すべきターゲットを確認、判断できます。

    図-3 ターゲット付近撮影画像

    図-3 ターゲット付近撮影画像

    図-4 建方作業者用の表示画面例

    図-4 建方作業者用の表示画面例

    図-5 工事監理者用の表示画面例(現場,事務所共通)

    図-5 工事監理者用の表示画面例(現場,事務所共通)

  5. 4.本工法のメリット

    ①建方作業の生産性向上
    従来の計測作業は、2名の測量管理担当者(計測機器2台)が位置情報を無線により建方作業者に伝達し、建方作業者自身が調整を行っていました。「建方キング」では1台の計測機器で測量管理担当者と建方作業者が位置情報を同時共有することで省力化を実現しました。「建方キングE」はリモート計測が可能なため、機器側に測量管理担当者の常駐を必要とせず、建方作業者自身や工事管理担当者による計測が可能となりました。その結果、従来の建方作業と比較すると、40%の工程短縮、50%のコスト低減が可能となりました。「建方キング」と比較しても30%以上のコスト低減を実現しました。
    ②確実な建方精度の確保
    建方作業者は、モニターを確認しながらの調整が可能となる為、容易にかつ確実に計画された建方精度を確保できます。
    ③様々な構造部材に対する計測作業の省力化実現
    柱材に加え、梁材、壁材、円形構造材さらに柱材等を組合せた複合構造体のシステム計測が可能となりました。例えば、複数の計測点を必要とする壁材の計測、梁入れ後の複数の柱材の連続計測等、時間を要する計測の省力化が実現しました。また、デザイン性の高い構造物においても、従来工法では計測困難であったポイント座標を瞬時に計測することができ、接続点の三次元管理を容易に行うことが可能です。
    ④監理技術者ならびに施工管理担当者の生産性向上
    計測データは可視化され、建方作業者、測量管理担当者のみならず監理技術者や施工管理担当者にも同時に共有されます。そのため現場のみならず現場事務所からも建方精度の確認を行うことが可能となります。システム表示画面には複数の計測点を表示することが可能なため、建設物全体の動きや変位の傾向をリアルタイムに把握できます。そのため次工程を考慮した建方調整量の最終判断を速やかに実施することが可能です。
    ⑤品質検査の省力化
    建方作業が完了すれば、その結果をそのまま出来形調書として出力することが可能です。監督員による立会検査もシステムを利用して事務所で行うことも可能です。

    以上より「建方キングE」は、建方作業者や測量管理担当者にとどまらず、これらの作業を管理する工事管理担当者、また監理技術者や監督員まで含めすべての建方プロセスに関わる方々の生産性向上に寄与します。さらにデータを共有することによるデータ改ざん防止等のコンプライアンス確保にも寄与するシステムです。

  6. 5.今後の展開

    本システムを用いたシステムのリース展開と本システムを用いた計測業務を行ってまいります。また更なる生産性向上を目指し商品のグレードアップを図ってまいります。

以上

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